2018年のインバウンド市場を振り返る 第1回 訪日外国人3000万人の内訳

訪日外国人数の推移

2018年1月―12月の訪日外国人数がついに3000万人を突破した。2012年に1,000万人を突破して以来、わずか6年でその3倍にまで増加していることになる

出典:「日本政府観光局(JNTO)」を元にビズグロー分析

訪日外国人地域別内訳

地域別内訳を見てみると、その大部分はアジアからの訪日外国人が占めている。2014年から約8割はアジアからの訪日客であり、その割合はほぼ変わっておらず、むしろ微増している。

絶対数で考えるとこのインパクトはより大きな意味を持つ。アジアからの訪日客数は、2014年に1,081万人だったのが、2018年には2,636万人と増加しており、圧倒的な存在感だ。

出典:「日本政府観光局(JNTO)」を元にビズグロー分析

訪日外客数増加の要因と今後のトレンド

この背景には、アジア圏の経済発展に伴う海外旅行需要の増加に対して、ビザの緩和やLCCの発達、円安による訪問のしやすさ、2020年のオリンピック候補地として決定したことなど様々な要因があると思われるが、その大部分は一時的な要因ではなく中長期的なトレンドとして影響を与えると考えられるものであり、増加傾向は少なくとも2020年のオリンピックまでは継続するという予想が多くを占めている。

少子高齢化に伴う人口減少の日本市場において、増加する外国人旅行客は成長を牽引する大きな消費者セグメントになったと言っても過言ではないだろう。本稿では、2018年のインバウンド市場の振り返りながら、インバウンド市場へのアプローチについて何回かに分けて検討していきたいと思う。