中国市場進出の基本 第2回 中国市場攻略の意識

中国市場の攻略は、簡単ではないが不可能ではない。むしろ高度経済成長を支えた成長した日本企業であればそのチャンスは図りしれない。ただ、幾多の日本企業と中国進出を目指した経験から、中国市場の攻略は、これまでの中国での成功体験や、日本での成功体験を一旦忘れることから始めなければならないことを悟ったのである。

生産拠点から販売拠点に

物を売る攻略は、販売拠点としての市場の攻略である。20年ほど前に中国に進出した企業の多くは、生産拠点としての中国であった。生産工場を中国に建設し、日本式の生産方法を中国人に教えていた時代である。当時は日本企業で働くことが一つのブランドであり、高給を得る手段であったため、日本式を受け入れていた。ただし、今は販売拠点としての中国である。中国人の言語はもちろんのこと、中国人の消費行動を理解しなければまったくといって良いほど通用しない。

日本の成功を知らない

日本国内では当たり前のように知っている商品でも、中国人にとってはまったくの未知の世界である。中国人が知るきっかけは様々ではあるが、中国人消費者に知ってもらうための取り組みをしない企業の成功の芽はないといっても過言ではない。大手越境ECに出店しても鳴かず飛ばずの状況が続くのは、中国人が知らない商品だから、ただその理由に過ぎない。逆にいうと、日本ではそれほどメジャーではない商品でも、しっかりとした周知活動、販売促進活動を行うことで、大ヒット商品への押し上げることができるのである。