中国市場進出の基本 第3回 ヒット商品を生む道のり①

言葉の壁、文化の壁

本日からは、“中国市場でのヒット商品化の道”を具体的な事例を元に解説していきたい。

私たちには、「とにかく越境ECで販売したいので仲介をお願いしたい」、「T-mall国際や京東国際に出店したい」、「中国市場進出の足がかりとして越境ECに出店したい」といった問い合わせが今でも頻繁に寄せられる。

1回目の寄稿の中で11月11日の独身の日に、楽天市場の取扱高の1年分をわずか1日で超えたというニュースを紹介したが、中国のECの販売力は凄まじいことは間違いないが、EC(越境ECを含む)に出店、出品すれば売れるわけでもない。

日本国内で日本の消費者向けに商品を販売することを目的とし、例えば、楽天市場に自社の商品を出品、もしくは自社のショップを出店させても、即座に販売結果が生まれるわけではないこと考えると、消費行動の異なる中国人に対し、言葉の壁、文化の壁を理解せぬままに販売しても、そう簡単には、販売結果が伴わないことが容易に想像できる。

ヒットするための火付け作業

ヒット商品をつくるために、日本市場でもそうであるように、中国市場でも必ず“火付け”作業が必要で、ヒット商品を生み出す労力やコストは日本でヒット商品を生み出す労力やコストと同等か、言葉や文化の壁を取り払う労力も含めればそれ以上かかることを、まずは認識しなければならない。

 「日本市場でヒット商品をつくることと、中国市場でヒット商品をつくることは、その手法は異なるものの、かかる労力やコストは同じかそれ以上である」

ハイリスク・ローリターンなどと揶揄される中国市場について、私はローリスク・ハイリターンの市場であると考えています。そこには消費力をもった消費者がただただ物理的に大勢いるからです。ただ、何もしないで市場を得ることができないのは、日本であっても中国であっても同じことだ。

私たちは、越境ECに出品、出店したい企業様には、必ず簡易な診断をさせていただき、商品もしくは店舗をヒット化させるための要素が出店の段階でどの程度満たされているか、出店が適切か、出店後どのような打ち手があるのか、を示し納得いただいてからお手伝いさせていただいている。

次回以降、成功例、失敗例を交えながら、ヒット商品の道のりシリーズの寄稿を続けていきたい。