中国市場注目ニュース ブランドのストーリーやシーンを創出できる企業が伸びる

ブランドのストーリーやシーンを創出できる企業が伸びる

新消費時代にはブランドのストーリーやシーンを創出できる企業が伸びる

2019年2月1日 36Kr Japan

消費者の変化がすべての起点

新消費時代の最大の特徴は消費者の変化だ。華映資本の調査によれば、中国総人口の17%を占める20~30歳が総消費の30%以上を握っている。彼らが最大の影響力を持つ新消費者となったのだ。

消費者が変わることによって、ブランド、商品、販路が変化したと考えられる。

具体的には、Eコマースやソーシャルメディアが発展したことでサプライチェーンがより柔軟になった。少量販売やカスタマイズ生産が脚光を浴びはじめ、大規模な生産力を持たない新興ブランドにもチャンスが巡ってくるようになったのだ。反対に、大手でも何かのきっかけで競争力を失うということもあり得る。ここに、華映資本が新興ブランドに注目する理由がある。

カギはブランド

第一に「商品」が大切だ。魅力的な商品がなければ、どれほど戦略が優れていても話は始まらない。次に大切なのが「人材」だ。現在は、学歴やキャリアに関係なく、「ブランドを構築できる人」が求められる。審美眼や学習能力を備えている人が勝つ。最後に大切なのが「マーケティング能力」だ。ブランドの背景にあるカルチャーやライフスタイルをターゲットに刺さるように伝えられる能力が必要だ。

「中国には『ニッチ市場』は存在しない」。孫瑋氏はそう語る。中国の消費をけん引する20~30歳はおよそ2億人。彼らを細分化しても、10億元(約160億円)規模のブランドが展開できるという。

中略

姜志峰氏は、消費財で起業するには「商品、ブランド、販路」が最も重要な三要素になると考えるが、中でも新消費時代においては「ブランド」が最も難しく、また最も成長につながる要素だと指摘する。現在は販路で差別化を図るのは難しく、サプライチェーンも標準化が進み、メーカー独自の路線は開拓しにくいからだ。

以上抜粋

この記事のポイント

中国では、80年代、90年代生まれの若者の台頭で消費市場が変化してきているという。彼らを攻略する上で重要な要素として、「商品、ブランド、販路」がこの記事ではあげられているが、その中で最も重視すべき点はブランドであると述べられている。

先日、革製品の中国進出に関する相談で、中国国内の簡易な市場調査を実施したが、有名かつ高額な欧米ブランド品志向か、そうでなければタオバオ等で廉価な商品(場合によってはブランド品の偽物)を購入するか、どちらかに別れるという意見であった。

日本も欧米ブランドは依然として人気だが、例えば財布等の革製品については、価格面では欧米ブランドほど高価でなく、品質の高い国内メーカーの商品も人気のようだ。しかしながら、中国の消費市場ではまだその層は十分には育っていないという意見だった。

こちらの記事によると、そうした低価格商品の中にも、今後ブランディングが求められてくることを示唆していると考える。

実際、化粧品については既にそういう時代が到来しており、高価格帯のものだけでなく、低価格帯のものについても、誰が推奨している商品なのか、口コミはどうなのかが購買を決定する大きな要因になっている。

日本の商品は安全性が高いという評価はあるものの、その中でどの商品が良いのかという競争がある。実際に、弊社が接する中国人の消費者に新しい商品をお勧めすると、既存ブランドとの違いや、優位性を聞かれることが多い。

商品の差別化はもとより、ターゲットの選定、メッセージ、コミュニケーション手法といったトータルの意味でのマーケティングが日本の市場同様、もしくはそれ以上に求められている。